今度のブログ「笑っていこうよ!」は、完全なお出掛けブログじゃなくて、前ブログ「なんとかなるでしょ!」の初期の様な、読書感想や映画感想、音楽感想なども入れて行こうと思ってます。
てなわけで、今回は読書感想。
宮部みゆき著 「ソロモンの偽証」です。
「模倣犯」「名もなき毒」「理由」など、現代ミステリーの大御所である宮部みゆき氏が、9年間も連載していた作品を書籍化したのが「ソロモンの偽証」
何と文庫本にして全6巻という超大作!!
3ヶ月半もの間、この作品を読み続けてました。
なんせ読むの遅いもので(笑)
ソロモンの偽証は3部構成。
第1部は「事件」
東京都内の中学生、柏木卓也が雪降るクリスマスの早朝に校内のとある場所で遺体として見つかる。
警察の判断は自殺。校内に衝撃が走るものの。何の疑いもなく事態は過ぎていく。
しかしそこに、柏木は同級生の不良グループに突き落とされたのを見たという「告発状」が届く。
マスコミが過剰に動き出す中、さらなる悲劇が関係中学生を襲う・・・
という展開が何人もの生徒の視点や、警察・校長などの視点で描き出されます。
どうやら柏木卓也ってのは実は相当な悪魔の様なヤツだった印象で僕は読みました。
主に学級委員の藤野涼子や、同級生の野田健一の視点で進むので、中学生が主人公の読みやすいミステリーという感じでした。
とにかくマスコミがムカつくなあという気持ちで腹立たしく読みます(笑)
第2部は「決意」
事の真実を探り出すため、学級委員の藤野涼子は「学校内裁判」をやろうという決意をする。
柏木を突き落としたとされた不良トップの大出俊二を被告人として、検事・弁護人・陪審員などを中学生の中から集めていき、検事側の藤野涼子と、弁護側の野田健一の視点で物語は進む。
新たに起きる放火事件や襲撃事件。謎の言葉「花火師」
ここで登場するのが物語中盤以降の重要人物。
弁護人に立候補した神原。
物語が進んでも進んでもやっぱり柏木は自分で亡くなったとしか思えなかったです。
それよりも弁護人として立候補した神原という生徒の正体が気になってしまいました。
ところどころに何か裏があるとわかる様子が描かれているから。
でも何なのかわからない。それが知りたくてドンドン読んじゃいます!!
超丁寧に語られるそれぞれの登場人物の過去。もうほんと宮部ワールドです!
宮部さんは人物の背景が濃い!!本当に濃いんです!
第3部は「法廷」
いよいよ体育館で裁判が開かれます。
裁判編では佐々木という刑事やヤマシン、倉田まり子といった、第2部までは中心じゃなかった生徒の視点から裁判が描かれます。
藤野涼子と神原の対決はやや神原優勢で進んで行くのですが・・・
ついに柏木が亡くなった真相に辿り着く・・・そのために次々と証人が語るのですが・・
その語る内容がねえ・・それぞれ泣けたり怒りを感じたりするんですよ。
もうね、クライマックスのオンパレード!!
読むのが止まらない、止まらない。
ここまで長く読んできたから、登場人物みんなに思い入れがあるから、本当にたまらない気持ちになりました。
久しぶりに読み応え抜群の現代ミステリーでした。
さすが宮部みゆきさん!
全て読み切ると、ちゃんと解決しているのにも関わらず、柏木卓也の真相について考えてしまったりします。いや、もちろん解決しているのですが。
そしてタイトルの意味とか考えちゃうんです。なるほど・・・と。
ちなみに、前編後編で、映画化もされてるそうです。
じっくりと現代ミステリーを読みたい方にお勧めです!
最終巻は別の中編小説も入ってるので、本の真ん中編で本編は終了します。
次回予告
さて、次回はお出掛け記事
「東京23区最高峰の山へ登る」記事をアップします!